禁煙外来 NOSMOKING
喫煙が百害あって一利なしであることはよくご存じのことと思います。 喫煙が呼吸器疾患、循環器疾患、悪性疾患などの発症の重大な危険因子です。
喫煙外来について
喫煙は「ニコチン依存症」としてとらえられており、「身体的依存」と「心理的依存」に分けられます。 ニコチンは脳内でドーパミンの放出を促し、喫煙後の幸福、覚醒感をもたらします。
煙草を吸えない時間が続くと、ニコチン、ドーパミンの濃度が低下し、不安感、不快感が表れ、離脱症状を打ち消すために次の煙草に火をつけます。 これが身体的依存であり禁煙補助剤を用いて治療します。
心理的依存は食後、酒席、ストレスを感じた時などに煙草を吸いたくなることです。 再喫煙の最大の原因になりますので、禁煙には決して吸わないという意思が重要です。
当院での禁煙治療
最近、喫煙は「ニコチン依存症」という病気であるとの判断により、保険診療で禁煙補助剤を用いて治療を行うことができるようになりました。 治療方法としてニコチン補充療法(ニコチンガム、ニコチンパップ剤等)が主体でしたが、最近新たにチャンピックスという経口剤が使用できるようになりました。
チャンピックスについて重大な副作用はほとんどなく、また最初の一週間は喫煙してもよく(もちろん少量にはすべきですが)、禁煙に対する意志や禁煙してみようとお考えの方は、無理なく禁煙が可能と思います。 これを機会に是非禁煙に挑戦してください。
禁煙治療を健康保険等で禁煙治療を受けるための要件
禁煙治療は、2006年4月から一定の条件を満たせば、健康保険等を使って禁煙治療を受けることができるようになりました。なお、要件を満たさない場合でも、自由診療で禁煙治療を受けることができます。
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※ニコチン依存性を診断するテスト(TDS)で5点以上
- 1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上 例えば、25歳から1日15本喫煙している45歳の人なら 15(本)×20(年)=300であり、対象となります。 ※35歳未満の方では、上記要件によらず保険での治療が可能
- すぐに禁煙をしたいと考えていること
- 医師から受けた禁煙治療の説明に同意、説明内容に納得されたときは、
- 文書で同意します(サイン等)
ニコチン依存症を診断するテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)
はい:1点 いいえ:0点
※5点以上は「ニコチン依存症」です。
(最終的なニコチン依存症の診断は、医師が行います)。
- 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
- 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。
- 禁煙したり本数を減らそうとした時に、タバコが欲しくてたまらなくなることがありましたか。
- 禁煙したり本数を減らそうとした時に、次のどれかがありましたか。 (イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、憂うつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手の震え、食欲または体重の増加)
- 4.でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。
- 重い病気にかかった時に、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。
- タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
- タバコのために自分に精神的問題(注)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
- 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
- タバコが吸えないような仕事やつき合いを避けることが何度かありましたか。
(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現したりしている状態。
禁煙外来にかかる料金
健康保険等を使用した場合(自己負担が3割)、使用する薬にもよりますが、約3ヶ月の治療スケジュールで、1万3,000円~2万円程度です。
禁煙治療のスケジュール
標準的な禁煙治療のスケジュールは、12週間にわたり合計5回の診察が行われます。 診察時には、息に含まれる一酸化炭素の濃度を測定します。一酸化炭素は、タバコの煙に含まれる代表的な有害物質であり、禁煙を始めることにより、この値が低下します。 数値で改善されていくことが励みとなる患者様も多いようです。 また、禁煙を継続するためのアドバイスや禁煙補助薬の処方を受けることが出来るため、禁煙は成功しやすくなります。